【過去問解説(経済学)】R2 第13問 無差別曲線

今日は経済学のR2第13問について解説します。

R2 経済学 第13問

家計においては、効用を最大化するために、予算制約を考えることが重要となる。この家計は、X財とY財の2財を消費しているものとする。
下図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


〔解答群〕
ア 予算線ABは、この家計の所得とY財の価格を一定としてX財の価格が下落すると、ADへと移動する。
イ 予算線ABは、この家計の所得を一定としてX財とY財の価格が同じ率で上昇すると、CDへと平行移動する。
ウ 予算線CDは、この家計の所得が増加すると、ABに平行移動する。
エ 予算線CDは、この家計の所得とX財の価格を一定としてY財の価格が上昇すると、CBへと移動する。

 

解説

予算制約線に関する問題です。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢アは、X財の価格が変化した場合の予算制約線の変化について問われています。
このような予算制約線の変化についてはX財、Y財の数量が0のときにどうなるかということを考えると考えやすいです。

今回の問題の場合、例えばX財の数量が0の場合について考えます。Y財の価格は一定なので、X財の数量が0のときのY財の数量はX財の価格が下落しても変化せずAのままとなります。

次にY財の数量が0の場合について考えます。X財の価格が下落する前は、ある予算で数量Bだけ消費できていたとのことですが、X財の価格が下落すると、同じ予算でも多くのX財が消費できるようになると考えられます。よって、数量はBより増え、今回の場合Dまで増えたとすると、予算制約線はADとなります。

以上からこの選択肢は〇と考えられます。

選択肢イは先ほどと同様に考えると、X財とY財の価格が上昇したということなので、同じ予算でもX財、Y財それぞれ消費できる量は減ります。よって、予算制約線はABが右に平行移動したCDではなくABが左側に平行移動した線となります。よって、この選択肢は×です。

選択肢ウについて、この家計の所得が増加すると、より多くの財を買えるようになります。よって、予算制約線はCDが左に平行移動したABではなく、CDが右側に平行移動した線となります。よって、この選択肢は×です。

選択肢エについて、X財の価格が一定でY財の価格が上昇した場合について考えます。X財の価格は一定なので、Y財の数量が0のときのX財の数量はY財の価格が下落しても変化せずDのままとなります。

次にX財の数量が0の場合について考えます。Y財の価格が上昇する前は、ある予算で数量Cだけ消費できていたとのことですが、Y財の価格が上昇すると、同じ予算でも消費できるY財の数量が減ると考えられます。よって、数量はCより減り、今回の場合Aまで増えたとすると、予算制約線はADとなります。よって、この選択肢は×です。

以上から正解は選択肢アとなります。

 

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